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納涼歌舞伎第二部 2008.8.14 [歌舞伎]

外は暑いようなので、そのままロビーをうろうろして二部の開演を待ちます。
そういえば幕見の列の方向けに扇風機がたくさん設置してありましたが、あれって前からあったかしら…
『つばくろは帰る』
しみじみと拝見させて頂きました。

三津五郎さんが本当に素敵♪
文五郎という大工の棟梁の人となりを、じんわりと見せてくれます。
弟子に対しても決して偉ぶらず、人として対等に扱う懐の大きな親方です。
こんな親方だからこそ小吉はずっと一緒に居たいと思ったのでしょう…
また弟子の三次郎や鉄之助、そして小吉も行く先はきっとこの文五郎のような親方になるに違いないと思わせてくれました。

弟子三次郎の勘太郎クン、大工のお役ってだけでもうパルコ歌舞伎の「決闘!高田馬場」をずーーっと思いだしてました(笑)。
舞妓みつに対する淡い恋心をぐっと押しこめるところなど、とても上手かったと思います。

安之助の小吉クンは、すごく頑張っていたと思います。
健気な少年を演じ、場内から涙をすする声が聞えました。
旅館で子守唄を唄う場面があったのですが、残念ながら透明感のある声ではあるものの、あの歌を聴いて旅館の客がすべて涙するとまでの説得力はありません。
でももともと歌い手さんじゃないので、それは仕方ないですね。

祗園芸妓君香の福助さんは、小吉を想う気持ちがストレートで良かったと思います。
ただ、祇園に忠義立てしなくてはいけない…という一番重要な場面では、声がエキセントリックになりすぎて、台詞が聞きづらくなってしまっていました。
なのでその辺りの君香の苦悩が描き切れていなかったように思えます。(これは原作によるところも大いにあるとは思うのですが…)


『大江山酒呑童子』
はぁぁ~、こちらもこう来ましたか…
なんだか一部の「三人連獅子」といい、この「大江山酒呑童子」といい、いじり過ぎちゃってる気がするなぁー。
まぁ、これは完璧に好みなんでしょうけど。
串田さんお得意のミニチュアは「ああ、またこれっすか…」って感じだし(苦笑)。
幕開きの墨絵はシンプルで良かったですが、「なんだかヘンテコな所作板だなぁー」と思っていたら、幕切れになってそれが仕掛けであることが判明。
圧巻!というには足元が不安定で、ちょっと酒呑童子の迫力が欠如してしまったのが残念でした。
最後に降ってきたのは、あれ、なんだろう…
赤と黒の豆のようなものだったんだけど、痛くないのかな。

酒呑童子の勘三郎さん、前シテではおかっぱ頭がちょっと笑える。
でも可愛く見せることを知っている方なので、本当に童子のように見えるのはさすがだと思いました。
この方は踊りが文句なく上手いので、やっぱりもっとシンプルな美術で踊りを堪能したかったなぁーというのが正直なところかなぁ。


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