石山寺と紫式部展

演舞場で「朧の森に棲む鬼」の初日を拝見した後は、友人との待ち合わせに少し時間があったので銀座松坂屋で開催されている「石山寺と紫式部展」に行くことにした。

石山寺っていうのは滋賀県は琵琶湖近くにある奈良時代に良弁僧正によって創建されたお寺。
良弁僧正って言ったら昨年11月に歌舞伎座で観た「良弁杉由来」での仁左様を思い出してしまうな～。
あのお坊さん姿の仁左様も素敵だったなぁ～などと思い出してしまう（笑）。
で、何でこの石山寺と紫式部が関係あるのかって言えば、彼女がここでかの有名な「源氏物語」を起草したとの伝承があるからなんですね。
時の天皇（村上天皇）の皇女に「まだ読んだことのない珍しい物語を読みた～い」と言われた一条院の后上東門院が、女房（奥向きの女子使用人）の紫式部に新作の物語を書くように命じたわけなんです。
で、紫式部は良い物語が出来るようにと七日問の参籠をしにこの石山寺に来たんですね。
当時の女性の間ではこの寺に籠ることが流行っていたようです。
8月15日、夜の月が琵琶湖に映えて、それを眺めていた紫式部の脳裏にひとつの物語の構想が浮び、とりあえず手近にあった大般若経の裏に書き始めたのが「源氏物語」となったそうです。
そんな紫式部との縁からか、石山寺には鎌倉時代から近代にかけての絵画、屏風、工芸品など多彩な美術品が数多く寄進されているんですね～。

わざわざ滋賀県まで行かずともタダで（招待券を貰った）貴重な美術品を拝見出来るなんて、ああ幸せ～。
作品は本当に多岐に渡って陳列されていて、それも同じような構図を時代を違えた作者が描いていて何とも興味深い。
土佐光起なんかは親子に渡って描いていたし…
現存する紫式部像の最古のものは桃山時代のものだったけど、歴史を感じるものだった～。
面白かったのは江戸時代の作品で「見立」というもの。
「もしも紫式部が江戸時代の人だったら～」みたいな絵です。
着物や髪型などは江戸の風俗で浮世絵風なんだけど、紫式部として描かれているというのは面白いでしょ。

松坂屋は初売ということで人もかなり多かったんだけど、ここは人もあんまり居なくて1時間あまりゆっくりと見ることが出来た。
たまにはこういう時間も大切だねぇ～。

コメント 10

す、すごいです[あわわ]
ナニがすごいかって、丁度今、大和 和紀さんの『あさきゆめみし』という源氏物語のコミックを読んでいる最中だからです。
またもや以心伝心！！と思ってしまいました（ちょっと違う？）

石山寺と紫 式部の話は初めて知りました。
お友達との待ち合わせ時間の合間に、多くの素晴らしい美術品の鑑賞をできるなんていいですね～[はぁと]
染様、紫 式部展、お友達との時間と素晴らしい一日を過ごされたのではないでしょうか？[わはっ]

愛染さんは、源氏物語の登場人物の中だとどの人かなぁ？
朧月夜か明石の上か、はたまた紫の上か[はてな]
by ＩＫＫＯ (2007-01-07 21:23) 

Ikko様
おおお、Ikkoちゃんは『あさきゆめみし』を読んでいるのですか～？！
これぞまさに以心伝心ですよ。
これはいいですよね。
源氏物語が漫画という分かり易いものになっているから、本当に面白いんですよね。
私もこの漫画を読んで源氏物語がよーく分かりました（笑）。
かつて与謝野晶子さんのとか、瀬戸内寂聴さんの小説も読みましたが、やっぱり読みにくいんですよねぇ。

源氏物語を読んでいると、この美術展も楽しめると思います。
石山寺では春と秋に公開されているようですが、いつかこのお寺にも訪れてみたいなぁー。

＞愛染さんは、源氏物語の登場人物の中だとどの人かなぁ？
★うーーーん、好きではないですけど多分「六条御息所」かな（笑）。
プライドが邪魔をして好きな人に正直に好きと言えないとか、そのくせ嫉妬深いとか結構似てるかも…（爆）。
さすがに生霊にはなりたくないけどねぇ。
by 愛染かつら (2007-01-08 00:59) 

すいません「あさきゆめみし」に反応してしまいました。
銀座・・・ほぼ毎日移動していますが、これは知りませんでした。
by yubeshi (2007-01-08 16:33) 

>★うーーーん、好きではないですけど多分「六条御息所」かな（笑）。
私も自分自身は「もしかして御息所かも･･･」と思いました（笑）
私は「好き」って言わなくても、たいてい態度でバレちゃってるようなのですが（爆）、でもなん変に意地を張ったり、嫉妬深く諦めが悪いところはそっくりかと(^^;ゞ

もしかしてラクやデイヴの夢を見た夜は、生き霊となってフィンランドやアメリカへ行ってるのかも～（怖）[たらー][どくろ]

愛染さんは博識で字もお綺麗ですし、歌舞伎を始め歌（ロック）の事もよくご存知なので、そういった点では六条の御息所に似てらっしゃるかと思います[わはっ]
by Ｉｋｋｏ (2007-01-08 23:44) 

な、なんて以心伝心！
私も最近、大和和紀さんの「あさきゆめみし」を読みたいと思って、オークションで落とそうかというところでした！
高校の頃集めていたのですが、いつしか捨ててしまったのですよね～。
絵がみんな同じ顔してて、誰が誰だか理解するまでに大変でしたが（笑）、とても感動した記憶です。もはやストーリーがうろ覚えになってしまってますが。。（＾＾；
松坂屋で素敵な展示会開催されていたのですね～！
by あき (2007-01-09 11:07) 

yubeshi様
あ、ゆべしさんも「あさきゆめみし」を読んだクチですね！
この展覧会、あんまり宣伝されていなかったのかしら～。
まぁ、年末年始にやっていたので、デパートとしてはかなり良い集客だったとは思うのですが…
もっと早くに記事にしたらゆべしさんも行けましたねぇ～。
by 愛染かつら (2007-01-09 13:52) 

Ikko様
えー？！
Ikkoちゃんも六条御息所？！
あ～、でもたいがいの女性はああいうところ、持ってますよねぇ～。

＞もしかしてラクやデイヴの夢を見た夜は、生き霊となってフィンランドやアメリカへ行ってるのかも～（怖）
★あはは、こ、コワいです。（笑）
でも、ただ生霊となっているだけならいいですよ。
ラク嫁を取り殺しちゃったりさえしなければ…
って、書いてるだけでもコワいって！
by 愛染かつら (2007-01-09 13:55) 

あき様
ええええーっ？！あきちゃんも源氏物語を～？！
「あさきゆめみし」、ヤフオクとかにも出てるんですねー。
これって英語バージョンもあるんですよね。
英語の勉強にいいかなぁーと思って一時期買おうと思ったことがあります。
絵がみんな似てるのは、少女マンガにはよくあることですよね。
私もそれが苦手だったりします。（笑）
by 愛染かつら (2007-01-09 13:58) 

愛染さん、こんばんわ。
石山寺と紫式部にこんなつながりがあるなんて、知りませんでした。
しかも石山寺に、そんなに色んな芸術品が保存されているなんて....
「源氏物語」も「あさきゆめみし」も未体験なのですが、ゆっくり腰を
落ち着けて読む時間ができたら、どちらもぜひチャレンジしたいです。
by a-secret-comeback (2007-01-10 22:33) 

ka-ka様
こんばんは～。
石山寺って名前すら知らない方がたくさん居ると思いますよ～。
京都とか奈良の有名なお寺ってわけではないし…

「あさきゆめみし」は源氏物語の漫画なので、源氏物語がとっても分かり易くなっていますし、腰を落ち着けなくても読めますよ～。
面白いのでアッと言う間に読めてしまいますよ！
図書館とかにもあると思いますので、お時間が出来たら読んでみて下さいましー。
おすすめです！
by 愛染かつら (2007-01-11 02:12)