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さよなら歌舞伎座 閉場式 [歌舞伎]

最後にここに日記を書いたのは、もう1年以上も前のことでした。
長らく放置していましたが、これだけはどうしても書いておきたかったので、重い腰を上げました(笑)。

幸運にも閉場式のチケットを回して頂けたので、夜の部を仕事前に行って来ました。
素晴らしい晴天に恵まれた歌舞伎座最後の日です。
東銀座の駅にはダフ屋さんまで出現してました!
ライヴではよく遭遇する光景ですが、歌舞伎座では初めてです。

駅からの階段を上り切ると物凄い人だかりです。
ほとんどの人がカメラや携帯片手に写真撮影をしています。
カウントダウンの時計は「1」を指していました。
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まずは本日の筋書を購入。

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ロビーは役者さんの奥様方も大集合でしたから、それはそれは物凄い混雑です。
存じ上げている何人かの奥様方や番頭さんと少しの間おしゃべりをして、本日のお席に着きました。
私がこの歌舞伎座で最後に座ったのは1階4列の花外です。

まずは松竹の会長さんのご挨拶です。
大向うからは「大谷!」「松竹!」「四代目!」の声が(笑)…。
実にあっさりと簡潔なご挨拶で、この後5分の幕間。

続くは『都風流』
梅玉さん、三津五郎さん、幸四郎さん、仁左衛門さん、菊五郎さん、吉右衛門さん、勘三郎さん、團十郎さんが大ゼリからせりあがって来ます。
着物はそれぞれが違う色の薄い色無地、袴は全員が鼠色。
ほとんど自然に見える程度の化粧をしての素踊りです。
これだけの顔が舞台に揃うとさすがに圧巻です。
途中、幸四郎さんと吉右衛門さんがご兄弟で絡んだりと、なかなか見どころがありました(笑)。
それにしても、やっぱりこういう素踊りでは、踊りの上手い下手が分かってしまいますねぇ(爆)。

10分の幕間を挟んで『京鹿子娘道成寺』
こちらは福助さん、玉三郎さん、時蔵さん、魁春さん、芝雀さんの五人です。
まさに「五人道成寺」!
まず道行は福助さん、ちょっとアダっぽい雰囲気ではありますが、この方の踊りはとても柔軟性があります。
そしてスッポンから玉三郎さんがせりあがって来て「二人道成寺」と同じ構成で踊ります。
乱拍子は時蔵さん。
時蔵さんの花子は初めて拝見しましたが、キリリとした風情の中にも柔らかみがあり、とてもよかったです。
鞠歌となってからは、舞台にわらわらと5人の花子が…!
なんとも華やかです~。
5人居並ぶとさすがに玉三郎さんはこの踊りに一番慣れている感じで、堂にいった感がありました。
花笠は芝雀さんです。
この方の持ち味でもあるおっとりとした中にも、なんとも可愛らしい風情~。
恋の手習は玉三郎さん。
途中から福助さんも加わり、なんか妙に色気のある雰囲気の連舞です。
手拭はかなり撒いていましたが、花外には3本ほどしか飛んで来ませんでした。
そのうちの1本は私の席のすぐ後ろでしたので、ちょっと残念でしたー。
その手拭をチラリと拝見したら、売店で売っていた「さよなら歌舞伎座」シリーズの桜の花がアレンジしてあったもののようでした。
山づくしは時蔵さん、芝雀さんから始まり、途中から玉三郎さん、福助さんが…。
ただ頼めは魁春さん。
キチンとした踊りで、いかにもこの方らしさがありました。
鈴太鼓からは玉三郎さんも加わります。
この2人は舞台上でぶっ替えり、鐘入りする時には他の3人も出て来ました。
さすがに5人の鐘入りはちょっとコワいものがあります(笑)。
鐘の頂上は玉三郎さん、その下には魁春さん、そして時蔵さん、芝雀さんと続き、最後が福助さんでした。
五人がまるで大蛇のように連なり、それはそれは圧巻で、思わず鳥肌が立ちました。
いやぁ~、素晴らしいものを見せて頂き、これだけで15000円の価値は十分にありました~。

10分の幕間の後『口上』では、中央に芝翫さん、上手に藤十郎さん、下手に冨十郎さん。
襖絵には松と竹が描かれ、松竹のマークと鳳凰もあります。
芝翫さんは初舞台での想い出などを語られ、藤十郎さんは襲名のことなどを…。
なんかもっと話が続くように思えたのですが、冨十郎さんが挨拶を初めてしまい、何だか尻切れトンボのようになってしまったように感じました(笑)。
冨十郎さんは鷹之資クンのこと、そして自身の座右の銘の「温故知新」に歌舞伎座のことを準えて話しておられました。
45分の幕間には、この歌舞伎座では最後だと思い「蕎麦食堂」へ…。
鴨つけそばを戴きました。

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その後、お稲荷さんへお参りに…。

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『歌舞伎座手締式』
幕が開くと目の前に幸四郎さんが居て、ちょっとビックリしました(笑)。
あれだけの数の役者さんが舞台に並ぶと、さすがに壮観です~。
中央には猿之助さんも椅子に座っておられました。
澤村藤十郎さんもおられます。
染ちゃんはちょっと髪がボサボサで青ヒゲくんでした(苦笑)。
なんでもっとちゃんとして来ないの~?!と思わず心の中でツッコミ!(笑)。
染ちゃんの隣には新之助クンが居ましたが、一瞬「誰?!」と思うくらいに何だか変わってしまっていました。
茶髪でオバさんみたいだった(失礼)。
玉太郎クンの隣には金太郎クンが…。
2人とも、か、かわいい!
あまりにたくさんの役者さんに、全員を認識するには時間が足りません。
もっともっと観ていたかったです。
幕が閉まる間際にかかった大向うの「木挽町!」を聞いた途端に、ちょっと涙が溢れました。

玄関を出る時に写真を1枚撮りました。

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夜の闇に浮かぶ歌舞伎座はやっぱり美しいです。

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「ありがとう、歌舞伎座」
そう心の中でつぶやきながら、木挽町を後にしました。



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mami

愛染かつらさん、おひさしぶりです。
閉場式、行かれたんですね。うらやましいです。
ご報告ありがとうございます。
「五人道成寺」見たかったなあ。

正直言って、まだ歌舞伎座がなくなるという実感がわかないのですが、これから先取り壊しが始まるといっそう寂しさが募ってくるんだろうなあ、と思います。
でももうしかたのないことでもありますし、3年後を楽しみにして待ちたいとも思います。
by mami (2010-05-03 00:10) 

愛染かつら

mami様

お久しぶりです~。
最近はmixiの方で書いていたりしてたもので、すっかりご無沙汰してしまって…。
nice!とコメントを有難うございました。

幸運にも閉場式のチケットが回って来まして、歌舞伎座最後の日に立ちあうことが出来ました。
それでもまだ私もあの歌舞伎座が壊されてしまうというのは、なんか実感がわきません。
番頭さんや奥様方も皆さん同じようなことを言っておられました。
やっぱり取り壊してから寂しさを感じるのでしょうね。

「五人道成寺」はとても見応えがありました。
五人揃うと場内からはジワもおきましたよ~。

by 愛染かつら (2010-05-03 04:57) 

カオリ

愛染さま、お久しぶりです! お元気そうでなによりです。

閉場式、観られたんですね〜。うらやましいです。でもこの記事で雰囲気伝わってきました。「道成寺」、どんな構成なのかとっても気になっていたのです。
『都風流』も贅沢ですよねぇ。愛染さまの正直な感想に笑ってしまいました。
あの歌舞伎座がもうなくなってしまうなんて、今でも正直実感がわきません。ほんとうにありがとう、という気持でいっぱいです。
by カオリ (2010-05-06 22:42) 

愛染かつら

カオリ様

nice!とコメントを有難うございました。
何とか元気ではやっておりますーーー。

歌舞伎も毎月最低でも2回は拝見しているのですが、感想を書く余裕がなくて…。
mixiとかでお茶を濁す程度でした。

閉場式、幸運にも行けました。
「五人道成寺」は出来、不出来は別として(?)、とにかく立女形の方々がそれぞれ違った花子をみせてくれたことに感動しました。

まだ新参者の私でさえ歌舞伎座が無くなってしまうことが信じられないのに、カオリさんのように長く拝見なさっているかたは余計ですよね。

今月も演舞場に行くついで(?)に歌舞伎座の前を通ってみたりしましたが、次第に寂しさか増してきます。

by 愛染かつら (2010-05-07 02:52) 

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