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四月大歌舞伎 夜の部 2008.4.6 [歌舞伎]

本日、忙しい中を遣り繰りして歌舞伎座夜の部を拝見。
三月は「吉田屋」のみを幕見しただけだったので、久し振りの歌舞伎座という感じがした。
本来ならば1階席で拝見したいところだったのだが、今の倹約の時(?)なので三階席でガマン…
本日のお席は3階10列14番。


●将軍江戸を去る(しょうぐんえどをさる)
なんというか…
うーん、やっぱり私は真山モノはあまり好きじゃあないかも…
とにかく台詞が多すぎて、ゆったりとした空間を望んで歌舞伎に行っている身としては疲れてしまうのよねぇ。
だからと言ってつまらなかったというわけではないんだけど。
三津五郎の徳川慶喜も将軍の苦悩が出ていてとても良かったし、山岡鉄太郎の橋之助も熱き人物像を持ち前の口跡の良さでなかなかの出来だった。



●勧進帳(かんじんちょう)
線の細い仁左衛門がどんな弁慶を見せてくれるのかとても楽しみにしていた。
仁左様の弁慶、勘三郎の富樫、玉様の義経なんて、もう観られないかもしれないし(笑)。
何より驚いたのが、仁左衛門があの弁慶の拵えを付けると痩せているのを感じさせなかったことだ。
声も低くとっていて、想像以上の骨太さだ。
口跡の良さはさすがのもので、台詞廻しも明瞭。
言葉のひとつ、ひとつが心の響き、なんとも懐の深い弁慶を見せてくれる。
延年の舞も実に丁寧に舞っていて、見ごたえがあった。
惜しむらくは六方を踏む段では、かなりバテ気味になってしまっていたことだが、これは幸四郎でも吉右衛門でも團十郎でも同じだったし…
本来のニンとしては富樫なのではないかとは思うが、かなりの出来の弁慶だった。

富樫の勘三郎は、やはりニンではないなぁー…と。
どうしても武士に見えないというか。
武士としての硬質な部分を感じることが出来ない。
問答でも緊迫感が感じられなかったし。
だが情味があって富樫の苦悩という点ではさすがに上手く表現されていた。

義経の玉三郎は、台詞廻しが能がかりで高貴な雰囲気が出ている。
弁慶に手を差し伸べる時の姿の美しさはさすがのものだ。
そして何よりもただ座っているだけの時でも、義経であり続けている辺りが素晴らしい。
拵えがいつもの義経より色目が派手に見えたのだけれど、気のせいかしらん。

私が歌舞伎を拝見してからも何度も「勧進帳」はかかっているが、今までで一番台詞の間合いがゆったりとしていたように思えた。



●浮かれ心中(うかれしんじゅう)
この演目はただ楽しめばいいかなぁーという感じだ。
ちょっとダレる部分もあったが、とにかくバカバカしくて楽しい(笑)。
そして何といっても時蔵のおすずが可愛らしく素敵。
この方があそこまで面白いことをやってくれるとは…
大真面目でやるからこその楽しさだ。

勘三郎はやっぱりこういう役がいいなぁーと。
三津五郎との遣り取りも、さすがの間合いで笑わせる。
七之助が以前よりも少し肥ったのか、花魁姿がとても美しい。
パロディーで「籠釣瓶~」を演っていたが、いつか本当の八ツ橋花魁を見せてくれる日も近いのではないかと思わせた。

今日のお席は三階の鳥屋近くだったので、ちゅう乗りはバッチリ(笑)。
ネズミに乗った栄次郎は「猿之助さんも早く回復なさるといいねぇー」と言ってた。←同感!未だナマ猿之助を見ていない。
それにしてもこのネズミ、かなりリアルだ。
手なんて本当のネズミのようだったし…
首から下げたピンク色とグレーのポシェットからは、紙吹雪やら手拭やらを盛大に撒いていて、三階席はそれはそれは盛り上がっていた。

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カオリ

愛染さま、こんにちは〜。
今日はいろいろ用事を済ませるために仕事を休んだので、ついでに?歌舞伎座の予定も入れてしまいました。夜の分を観てきます。愛染さまのレポを読んで期待度UP!
by カオリ (2008-04-09 09:45) 

愛染かつら

カオリ様

nice!とコメント、ありがとうございました。
今日は歌舞伎座ですかー。
おおっ、それはお天気も良くなってきたし、いいですねぇーーー。
とても楽しかったですよ。
カオリさんも楽しんで来られますように!

by 愛染かつら (2008-04-09 14:42) 

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